【拒食症・不登校克服】誰のために話を聴くのか? | 『公認心理師』渡辺貴子トレーナー

【拒食症・不登校克服】誰のために話を聴くのか?

我が家までの夜の最終バスがコロナ禍になってから早まりました。

よって、昨夜も2人の娘の運転手として、2往復。

コミュニケーション、心のことを学ばなければ、私のことだから、心配、共感のたびに、あーだのこーだの言ってしまうし、なんで毎回送迎なんて…ってイライラしたんだろうな〜って思う。

いまの私は、送迎の時間は彼女たちを知るありがたい時間。

彼女たちの世界を見て聞きて感じられる貴重な時間です。

話を聴くのは誰のため?

私たちはたいてい、相手のためではなく、自分のために話を聞いていることが多い。

相手のために話を聞いているつもりでも…。 

子どもが話をしているときも、つい、自分の興味のあることや、「ここがポイント!」と思うところに意識をフォーカスしてしまいます。

 「ん?なにそれ?」

もしもそう思った瞬間に、どうしても欠けている情報を埋めたくなります。

 

それが自然の欲求だけど、

情報が欠けていて気持ち悪いのは、誰ですか?

ということなんですよね。

気持ち悪いのは私たちであって、彼らではないのです。

だから、子どもたちの側から見ると

「ママはそこを詳しく掘ろうとするけれど、私が聴いてほしいのはそこじゃないのに…」

ってなります。 

それなのに強引に情報を掘り出してきて、挙句に

「ママだったらね。。。」と求めてもいないのに、アドバイスしてきたり、ママの持論を展開されたりしちゃう

「やっと話すことができる…」と勇気をだしたのに、親の価値観であれこれジャッジされたり、ため息つかれたり…

自分が話を聞いて欲しかったのに、気づけばママが喋り出して止まんなくなってる…

そりゃ、子どもだって嫌になりますよね。

もう、何も話すもんか!ってなりますよね。

私は子ども話を聴くことを意識するようになったとき、気づくとしょっしゅう自分がこの状態になっていて

「あぁやってもうた…」

ってなってた。

気づいたら、私がガンガン喋ってて娘が聞き役。


子どもにしてみたら、ただ話を聴いてほしいだけなのに、

いっつも話を取られちゃう…。 

イヤだよね…。

会話泥棒って…

 

会話泥棒ってさ、ママ友との会話でも、職場でも、どこでも結構アルアルですよね。

私たちも子どもの頃、親に会話泥棒されてたかもしれませんね。

親の話を、いっぱいいっぱい聞かされてきたのかもしれません。

今だって、私たち親の話聞いてませんか?

実家に帰ると、いっつも母の話を聞かされてる。

家に戻るとドッと疲れが…。

電話が鳴って、ひとしきり。

電話を切ってドッと疲れが…。

私にだって、聞いてほしいことあったのに…ってなりませんか?

 

そんなクライアントさんのお話、本当によく聞きます。

子どもってね、優しいから親の話を聴いてあげようとするのです。

聴いてほしいことがあっても、つい、聴く側にまわってしまうんです。

子どもは親に解決してほしくて話すわけではない

もうね、

いやなんだよ。

本当は、ただ黙って聴いてほしいんだよ。

「うんうん」って

「そうだね。そうなんだね」って

「いやだったんだね」って

「たのしかったんだね」って

「うれしかったんだね」って

「悲しかったんだね」って

「さびしかったんだね」って

「それはつらいね」って

そんな気持ちだったんだね、

そんなふうに考えてたんだねって、

なんのジャッジもなく

ただ聴いてほしいんです。

コミュニケーションの講座では二人組、もしくは三人組になって聴き方のトレーニングをします 。

その際、一人にご自身の「ちょっと気掛かりなこと」を話してもらうんです。

一人が話し手、一人が聞き手、一人はその二人を観察する観察者。

聞き手の人が話の聞き方を意識するだけで、二人の関係性に変化が見られます。

毎回です。

話し手の人は

「話を聴いてもらえるって、こういうことなんですね」

「話を聞いてもらえるって、こんなに安心感を感じられるんですね。」

「もっと話したくなる」

話し手の感想を聞いて聞き手の人は驚くのです。

「相手の話を聴くってこういうことなんですね」

「何か言ってあげなくちゃ!って欲求が沸いてくるけど、言わなくていいんですね。その方が、相手は聞いてもらえてるって感じるんですね」

そう、おっしゃいます。

話し手が、聞いてもらえたーって満足する聞き方が大事。

話し手が、悩みを抱えていたらなおさらです。

観察していると、聞き手と話し手の間にあたたかな一体感のようなものが生まれるている

感じられる方もいらっしゃいます。

「ママ、あのね…」

もしもお子様が、ポツリポツリと話し始めたら

この時とばかりにアレヤコレヤと聞きだそうとせずに、お子様のペースで、ただ、話を聴いてさしあげてください。

まずはそこからスタート。

親として伝えたいことは山ほどあるかもしれないけれど

そもそも

自分の話を聴いてくれない人の話を、

どうして受け取ることができる?

まずは、聴く。

子どもの話をたくさん聴いていくうちに、自分が伝えようとしていたことなど実は大したことじゃないってことに気づくこともたくさんあります。

「ああ余計なことだったんだな、言わなくてよかった〜」

って思えるものがたくさん出てきます。

「すべてはこの子の中にあるんだな」

ってことに気づけるチャンスがあらわれます。

その子の価値観や考え方や思いを聴いているうちに、

子どもを一人の人間として「一人格」として見ることができるようになります。

そしてそんなお母さんの変化に、子どもは気づくのです。

信頼関係は、こうして作られていきます。

学校では教えてもらえなかった、コミュニケーションの基本です。